“心療内科”ってどんなところ?

 心療内科は、ストレスから来る心と体の様々な症状を診て改善を図っていく所です。心と体は密接な関係にあり、ストレスがかかると自律神経系、ホルモン系、免疫系等に影響が出て、体にも様々な症状が出てきます。頭痛、めまい、動悸、息苦しさ、喘息、腹痛、下痢、便秘、頻尿、倦怠感、高血圧、不眠、食欲不振等が出てきます。内科等を受診しても特に原因がわからない場合、ストレスが関係していることがあります。それをみていくのが心療内科です。また、いくつも症状がありどの科に行っていいかわからないときも、多くはストレスが関係していることがおおく、心療内科でみてもらうとよいことがあります。本来は、このようにストレスから来る体の症状をみるのが心療内科なのですが、最近は、ますます増えている心の病気も診るようになっているのが現状です。心の病気を診るのは本来は精神科なのですが、精神科というと昔からのイメージがありなかなか行きにくい方が多いかと思います。心の病気も以前よりより軽症になり、誰もがかかりうる病気となってきています。また、これまでは一般的には病気として認識されていなかった症状も病気としてとらえ、治療の対象となってきています。心の病気、または病気とまではいかなくても、心の不調を感じたときは心療内科を受診してよいかと思います。

 たとえば、どんな方が受診されるか何人か例を挙げてみます。


「小さい頃から、人前で話すのは緊張して苦手だった。性格だと思ってあきらめていたが、子供が幼稚園に行くようになって、子供のお母さんたちと話す機会が増え、何とか治したい」と来院された40代の女性。これは、以前はあがり症とか、対人恐怖、対人不安といわれていたものですが、今は社会不安障害と呼ばれています。このようなことで悩まれている方はじっさいにはかなり多いのではないかと思います。この方の場合薬を中心とした治療を行い3ヶ月くらいで、以前よりずっと不安が少なくお母さん方の集まりにも楽に出られるようになりました。


 「急に不安になって、どうしようもなくなる。また、いつそうなるかと心配して、いつも不安がとれない」という20代の女性。これはパニック障害で、不安発作が終わると何でもないので、病気ではないと思っていたようですが、内科の先生に勧められて受診しました。動悸がするので内科にいったが何でもないといわれたというケースもあります。この方の場合薬による治療が比較的よくきいて1〜2ヶ月で不安発作も、また、常にあった不安感もよくなっていきました。


 「姑と同居するようになって、姑からいろいろ言われるので、不安定になって、姑の声を聞くのもいやになって、一緒の家にいるのもいや。目の前に来ると体が硬直して動けなくなって、倒れてしまった」という50代の主婦。環境的な要因も大きいので、薬だけでは難しく、家族を含めた治療が必要で、少し時間がかかりそうです。


 「最近なんだが、気持ちが沈んで、元気が出ない。仕事もどうしようか悩んでいる。何も楽しいことがないし、生きていてもしょうがないかなと思ってしまう。」という50代男性。町の健康診断の「心の健康チェック」でひっかかって受診をすすめられました。最近ふえているうつ病の方で、薬を飲むようになって、1ヶ月くらいで気分がずいぶん改善し、生活も楽しくなってきたようで、来院されたときの表情や話し方が変わってきました。早めの受診で、早くよくなった例であると思います。うつ病といっても、いろいろな症状の出方があり、気分の落ち込みはめだたず、頭痛や便秘や動悸等身体症状が表に出ている仮面うつ病や、落ち着かなくていらいらするのが目立つうつ病等いろいろです。最近では、木の実ナナ、竹脇無我、高島忠男等芸能人でうつ病体験を語る人も出てきて、以前よりは認知されるようになっては来ています。きちんと治療を受ければよくなる病気ではありますが、ひどくなると、死にたい気持ちが強くなり本当に自殺してしまうことがあるので注意が必要です。


 「仕事で失敗して、上司に怒られて、それから会社に行くのが苦痛になって、行こうとすると、頭が痛くなったり、おなかが痛くなったりする」という20代女性。うつ病とまではいかなくても環境との絡みで不安、気分の落ち込み、身体症状が出てきています。いわゆる「適応障害」(雅子様につけられた病名)と言っていいでしょう。この方も、薬とカウンセリングと、職場の対応で、2ヶ月くらいで改善していきました。


 「うまく片付けが出来なくて、仕事もたまったり、家事もテキパキ出来なくて困っている」という20代女性。小さい頃から、落ち着きがなく、忘れ物が多く、テストでもわかっているのにちょっとした不注意で間違いが多かったり、片付けは苦手であったそうです。ADHD(注意欠陥他動障害)の軽い方で、子供の時はそれほど問題にならなかったのが、大人になってから生活上いろいろと支障が出てきた方です。この方も、薬による治療と心理療法で改善してきて、大分生活も楽になってきています。


 「自分がしたことが本当にしたのか、気になって、気になって、確認をしてしまうため、仕事がうまくできなくなった」という30代女性。自分ではばかばかしいと思っても気になって確認をしてしまう強迫神経症の方です。人によっては、汚いのが気になって手を何回も洗う方や、ドアノブをさわれず、ハンカチでさわる人などもいます。この方も、薬を飲んで3〜6ヶ月くらいで大部楽になったものの、結局仕事は辞められました。その後ボランティア等をしています。


 では、実際の診療はどのようにすすめられるかについてお話しします。初めて受診された場合、まず、どんなことに困っているか等問診票に記入していただきます。他の科より多少詳しく書いていただくことが多いかと思います。診療所によっては、自己記入式の簡単な心理検査をする場合もあります。その後、診察になりますが、ドクターの診察の前に、予診といって看護婦さんが先にお話を聞く場合もあります。いよいよ診察ですが、困っている症状を中心にいろいろとお話を聞いていきます。場合によっては、これまでの生活のこと、ご家族の事等もお聞きすることもあります。そして、それらの話を総合して、症状や病気を診断し、説明します。必要に応じて検査をすることもあります。治療としては、現在は主に薬による治療と話による心理的治療(カウンセリング)を併用することが中心です。ここ数年で心の病気に対する薬も大きく進歩し、より副作用が少なく効果のある薬がいろいろと出てきています。心に働く薬といっても、特別なものでなく、化学的な薬理作用を持って効果を発揮するもので、薬は脳の中の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン等)のバランスの崩れを調整し、不安や緊張や気分の落ち込みを和らげ、気持ちを楽にしてくれます。気持ちが楽になっていくと、心理的治療も行いやすくなり、症状の改善もよりすすんでいきます。薬は飲みたくない、薬に頼らずに治したいという方もおられますが、そんな場合無理に薬をすすめることはしませんが、やはり薬を飲む方が改善も早いようです。時間としては初めての場合は診察時間も30分位はかかりますので、前後の待ち時間を入れて1時間〜1時間半位の時間的余裕をもって受診される方がいいと思います。費用の点ですが、保険診療の3割負担で院外処方の場合、自己負担は初診で2500〜3000円位です。これに加えて薬局での薬代がかかります。2回目以降は1500円位です。時間的にも予約であれば待ち時間も少なくなります。


 最近は、心療内科のクリニックが都市部において急増し、郡山でも少しずつ増えています。それは以前より需要があるからで、実際、心の病気で治療を受けている方は年々増えており、200万人以上とも言われています。ストレスの多い社会状況ですから誰もが心の不調を感じてもおかしくないわけです。そのような場合は是非早めに心療内科を受診することをお勧めします。早いほうが改善も早いものです。最近のクリニックでは、待合室にも気を配り、堅い椅子でなくソファーがあったり、マイナスイオンやヒーリング映像で、リラックスできるようにしているところもあります。行ってみると思っていたより良かったと感じ、もっと早くきていればよかったといわれる方が多いものです。自分の心の健康のために是非利用してみてください。





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